映画「君の名は。」の地上波では「Society 5.0 (ソサエティ5.0)」のCMが放映されました。「ここはちょっと未来の日本のとある町」という言葉から始まり、IoT化で変わる日常生活が紹介されました。
ソサエティ5.0とは?
ソサエティ5.0とは、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会のことを指します。これは、第5期科学技術基本計画(2016年度から2020年度)で日本が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。
2017年6月9日には、新たな成長戦略となる「未来投資戦略2017 – Society 5.0の実現に向けた改革」」が閣議決定されました。
Society 4.0からSociety 5.0へ
「Society 4.0」という言葉は今まで使用されていませんでしたが、狩猟社会を1.0とし、現在の「情報社会」を4.0、次に目指す社会を5.0として考えられています。
情報社会(Society 4.0)では、インターネットによって様々な情報が広まっていますが、知識や情報の共有・連携が不十分であり、人間がデータを見て分析する必要があったり、年齢や障害などによる労働や行動範囲に制約がありました。
IoT化されたスマート社会(Society 5.0)では、全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服するとしています。
また、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されるようです。
Society 5.0で変わること(一部)
「君の名は。」の地上波CMより
- ドローン宅配:
山間部や離島でも時間通り配達されるようになる。 - AI家電:
冷蔵庫の場合、レシピの提案や足りない食材などを教えてくれる。 - AIスピーカー:
話しかけるだけで情報を入手できたり、欲しい商品を注文できたりする。 - 遠隔治療:
血圧や体温を自動測定。自宅で検診が受けられるようになる。 - スマート農業:
無人トラクターで生産効率が増加する。 - 会計クラウド:
店舗の売上や在庫の情報をデータ化、決算業務の手間を削減できる。 - 無人走行バス:
地域を支える新しい交通手段。高齢者の移動もより便利になる。
内閣府ホームページより
- 車の渋滞緩和、事故減少:
自動走行により、渋滞なく、事故なく快適に移動できるようになる。 - 最適な外出:
カーナビより、好みに合わせた観光ルートの提供、天気に合わせた外出場所、混雑していない外出場所を教えてくれる。 - 工場:
AIやロボット活用により、人手不足の解消、多様なニーズに対応できる。 - 仕事:
AIなどの活用により、煩わしい作業から開放され、時間を有効活用できる。
「Society 5.0 (ソサエティ5.0)」は、イノベーションから新たな価値が創造されることにより、誰もが快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることのできる人間中心の社会「Society 5.0」を世界に先駆けて日本が実現するというものです。
【関連リンク】
Society 5.0 – 科学技術政策 – 内閣府